「苅田町で空き家を解体したいけど、補助金は使えないかな」
そう思って調べている方に、まず正直にお伝えします。
苅田町には空き家の解体に使える補助金があります。ただし、これは「誰でも使える解体補助」ではありません。
いちばん大事なところなので、先に「使える人」と「使えない人」をはっきりさせます。
この補助金が使えるのは、こんな人です
- 東京・神奈川・埼玉・千葉から、苅田町へ引っ越してきた(これから引っ越す)
- 苅田町の「空き家バンク」に載っていた空き家を買った
- その空き家を壊して、同じ土地に新しい家を建てるつもり
この補助金が使えないのは、こんな人です
- 昔から苅田町に住んでいて、古くなった実家を解体したい
- 空き家を壊して、更地で売る・駐車場にするつもり
- 空き家バンクを通さずに空き家を買った
もしあなたが「使えない人」に近いなら、この制度ではなく別の道を探すことになります(記事の後半で触れます)。
逆に「使える人」に当てはまるなら、この補助金はとても手厚い制度です。解体なら費用の半分・最大150万円、リフォームなら最大100万円が戻ってきます。
この記事では、自分が対象になるかをはっきり判断できて、対象なら申請の順番まで迷わず進めるように、やさしく整理しました。
※本記事は苅田町の補助金交付要綱(令和8年4月から)にもとづいて解説しています。受付できる件数や期間は年度によって変わるため、申請前に必ず苅田町の都市計画課でご確認ください。
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目次
この補助金は「移住して家を建てる人」を応援する制度
まず、なぜこんなに対象が絞られているのかを知っておくと、話が理解しやすくなります。
目的は「空き家を活用して、移住してもらうこと」
苅田町がこの補助金を用意している理由は、はっきりしています。
町に増えている空き家を活用して、都会から移り住んでくる人を増やしたい——そのための後押しです。
だから、「都会から来た人が、空き家バンクの家を買って、住むために手を入れる」という流れにだけ、お金が出ます。解体やリフォームは、その手段として補助される、というわけです。
だから「解体だけ」では使えない
ここが、ほかの空き家解体の補助金と大きく違うところです。
一般的な「危険な空き家を壊す補助金」は、古い家を安全に取り壊すこと自体が目的です。
でも苅田町のこの制度は違います。解体が補助されるのは、「買った空き家を壊して、同じ土地に新しい家を建てる」場合だけ。
つまり「壊して終わり」ではなく、「壊して、建てて、住む」までがワンセットなのです。更地にして売りたい、という目的では使えません。
自分が対象になるか、チェックしてみましょう
制度の言葉は少し難しいので、身近な言い方に置き換えながら確認していきます。
対象になるための条件
次の条件を、すべて満たす必要があります。
- 令和8年度〜令和10年度の間に、東京圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)から苅田町へ引っ越したこと
- 引っ越してから3年度以内であること(引っ越してすぐ〜数年内、というイメージ)
- 苅田町の空き家バンクに登録されていた空き家を、買ったこと
- その空き家の売り主が、自分の親や近い親戚(3親等以内)ではないこと
- 町税や上下水道料金を滞納していないこと
この補助金は、1つの世帯につき1回だけ使えます。
かんたんセルフチェック
次の質問に、全部「はい」と答えられれば、対象になる可能性が高いです。
- 東京・神奈川・埼玉・千葉から、苅田町に引っ越した(引っ越す予定)
- 引っ越してから、まだ数年以内だ
- 苅田町の空き家バンクに載っていた空き家を買った(買う予定)
- その家の売り主は、親や近い親戚ではない
- その空き家を壊して、同じ土地に家を建てるつもりだ
ひとつでも「いいえ」があると、対象外になる可能性があります。特に「空き家バンクを通したか」「建て替えるか」は、間違えやすいので気をつけてください。
いくら戻ってくるのか
自分が対象になりそうだと分かったら、次は金額です。この制度は、戻ってくるお金がとても手厚いのが特徴です。
解体は費用の半分で最大150万円
補助される金額は、工事の種類で分かれています。
- 解体工事:かかった費用の半分(50%)・最大150万円
- リフォーム工事:かかった費用の半分(50%)・最大100万円
たとえば解体に200万円かかったら、その半分の100万円が戻ります。300万円かかっても、上限の150万円までが戻る、という形です。
「かかった費用の半分、ただし解体は150万円まで」と覚えておくと分かりやすいでしょう。
なぜこんなに手厚いのか
危険な空き家を壊す補助金は、上限30万円ほどの町が多いなか、この150万円という金額はけた違いです。
理由は、この補助金が「解体を助ける」ためではなく、「移住して、家を建てて、ずっと住んでもらう」ための応援だからです。町にとっては、新しい住民に来てもらうための投資、というわけです。
だからこそ金額が大きい代わりに、対象がしっかり絞られているのです。
リフォームで対象になる工事
「解体して建て替える」ではなく、「買った空き家を、リフォームして住む」という方もいるでしょう。その場合の対象工事も見ておきます。
家を長持ちさせる・住みやすくする工事が対象
リフォームで補助されるのは、家の性能や使い勝手をよくする工事です。具体的には、こんな工事が含まれます。
- 外壁・屋根・基礎・柱などの修繕
- 塗装(外壁塗装など)
- 地震や火事に備える補強工事
- 間取りの変更、台所・お風呂・トイレの取り替え
- 断熱・防音の工事
外壁塗装や屋根の修繕など、幅広く対象になります。
対象にならないもの
一方で、門・塀・庭などの外構工事は対象外です。家そのものではない部分は、補助されない点に注意してください。
申請の進め方と、見落とせない注意点
対象に当てはまるなら、次は「どう申請するか」です。ここでつまずかないための大事なポイントがあります。
工事を始める前に申請する
いちばん大事なルールです。
工事を始める前に、申請書を出す必要があります。
「先に壊してしまって、あとから申請」はできません。空き家を買って、解体やリフォームの計画・見積もりが固まった段階で、工事より先に申請します。
町が内容を確認して「交付決定」の通知を出したあとに、工事を始める、という順番です。
「先着順」で、枠がとても小さい
これは特に注意してほしい点です。
この補助金で受け付ける件数は、年度の予定で解体1件・リフォーム1件とされています。しかも申請した順(先着順)で、枠が埋まったら締め切りです。
つまり、予算というより「枠が1件ずつしかない」という、とても小さな制度なのです。
対象になりそうなら、「そのうち申請しよう」ではなく、できるだけ早く町に相談することが、受けられるかどうかを大きく左右します。
申請から受け取りまでの流れ
- 空き家バンクの空き家を買う(売買契約)
- 解体やリフォームの計画と見積もりを用意する
- 工事を始める前に、申請書を出す
- 町の審査を経て、「交付決定」の通知を受け取る
- 決定のあとに、工事を始める
- 工事が終わったら、期限内に「実績報告書」を出す
- 金額の確定通知を受け、請求書を出して補助金を受け取る
申請できるのは、引っ越した年度を含めて3年度以内です。
「対象外だった」ときに確認したいこと
ここまで読んで「自分は移住者ではないから使えないな」と分かった方も、あきらめる前に確認したいことがあります。
別の空き家解体の補助がないか、町に聞く
町によっては、この移住者向けの制度とは別に、「古くて危険な空き家を壊すための補助金」を用意していることがあります。
昔から住んでいる家や、移住以外のケースで空き家を解体したい場合は、こうした別の制度がないか、苅田町の窓口(都市計画課)で一度確認してみる価値があります。
補助金が使えなくても、解体はできる
補助金が使えないとしても、解体そのものは問題なく進められます。
大切なのは、補助金があってもなくても変わりません。解体にいくらかかるのかを正確につかみ、あとから思わぬ追加費用が出ないように備えることです。次の章で、そのポイントを説明します。
補助金に頼りきらない、解体費用の見方
補助金は、費用の一部を助けてくれるものです。だからこそ、まずは「解体そのものにいくらかかるか」を正しく知っておくことが、後悔しない判断の土台になります。
見積もりに「入っていない費用」に気をつける
解体でいちばんもめやすいのが、工事を始めてから出てくる追加費用です。よくあるのは、こんなものです。
- 地面の下から古い基礎やコンクリートのガラが出てくる
- アスベスト(昔よく使われた建材)が見つかり、除去費用がかかる
- 家の中に残った家具や家電の片づけに、思ったより費用がかかる
- 前の道が狭くて重機が入れず、手作業が増えて費用も工期も延びる
「何か出たら追加します」とだけ書かれた見積もりと、「出た場合はこの値段でやります」と具体的に書かれた見積もりでは、あとの安心感がまるで違います。契約する前に、ここは必ず確認しておきましょう。
古い空き家はアスベストに注意
いまは、アスベストがあるかどうかの事前調査が、ほぼすべての解体で必要になっています。
この補助金の対象になる空き家バンクの家は、古いものが多いため、アスベストや地中の埋設物が出てくる可能性も高めです。だからこそ、こうした費用まで見通せる業者を選ぶことが大切です。
移住して家を建てるなら、その先まで一緒に考える
この制度は「移住して、壊して、建てて、住む」までがひとつながりです。だからこそ、解体だけでなくその先まで見ておくと、計画がぶれません。
解体と新築の段取りをつなげる
この補助金の解体は、建て替えが前提です。つまり、壊したらすぐ新しい家づくりへと進みます。
もし解体する会社と、新しい家を建てる会社がバラバラだと、引き継ぎで手間や無駄が出ることがあります。解体から先まで見通して相談できる相手だと、移住後の暮らしの立ち上がりがスムーズになります。
新しい土地での、ご近所への挨拶
引っ越してすぐの解体工事は、まだご近所と顔なじみになる前のことも多いものです。
解体工事は、音も振動も出ます。工事の前にていねいに挨拶をしておくことは、これから長く住む町での、ご近所づきあいの第一歩になります。この挨拶を施主任せにせず、工事をする側が責任を持って回ることが、移住後の暮らしやすさにもつながります。
よくあるご質問
対象になるか、について
昔から苅田町に住んでいます。実家の解体に使えますか?
この補助金は使えません。対象は、東京圏から苅田町へ移り住み、空き家バンクの空き家を買った方に限られます。移住以外の場合は、別の解体補助がないか町の窓口で確認してみてください。
空き家を壊して、更地で売りたいです。対象ですか?
対象外です。この制度で補助される解体は、買った空き家を壊して、同じ土地に新しい家を建てる場合だけです。売却や駐車場などの目的では使えません。
いくらもらえますか?
解体なら、かかった費用の半分・最大150万円。リフォームなら、費用の半分・最大100万円です。半分が戻るうえに上限も高い、手厚い制度です。
親の空き家を買う場合も対象ですか?
対象外になる可能性が高いです。空き家バンクの登録者から買うことが条件で、その売り主が親や近い親戚(3親等以内)でないことも求められます。
申請について
申請でいちばん大事なことは何ですか?
工事を始める前に申請し、町の「交付決定」を受けてから工事を始めることです。先に工事を始めると対象外になります。さらに受付は先着順で枠も小さいので、早めの相談が肝心です。
いつまでに申請すればいいですか?
引っ越した年度を含めて、3年度以内です。ただし枠がごく小さく先着順なので、期間内でもできるだけ早く動く必要があります。
何件まで受け付けてもらえますか?
年度の予定で、解体1件・リフォーム1件とされています。枠が小さいので、対象になりそうなら早めに町へ相談しましょう。
工事について
リフォームではどんな工事が対象ですか?
外壁・屋根・基礎などの修繕、塗装、地震や火事への備え、間取り変更、水回りの取り替え、断熱・防音などが対象です。門や塀などの外構工事は対象外です。
アスベストの調査は必要ですか?
いまは、ほぼすべての解体工事で必要です。古い空き家では特に、見積もりに調査の項目があるか確認しておくと安心です。
まとめ|当てはまるなら、これほど手厚い制度は少ない
苅田町の空き家改修等補助金について、要点を振り返ります。
この記事の要点
- この補助金は、東京圏から移住して、空き家バンクの空き家を買った人のための制度
- 解体は、同じ土地に家を建て替えるための解体だけが対象(売却・駐車場目的は対象外)
- 金額は、解体が費用の半分・最大150万円、リフォームが半分・最大100万円と手厚い
- 引っ越してから3年度以内、売り主が近い親戚でない、などの条件がある
- 工事を始める前に申請し、交付決定を受けてから工事を始める
- 先着順で、枠は解体1件・リフォーム1件とごく小さい。早く動くことが何より大事
- 昔から住んでいる方などは対象外。別の解体補助がないか町に確認を
迷ったら、これだけ覚えて帰ってください
ひとことで言えば、こうです。
東京圏から移住して、空き家バンクの家を買って建て替えるなら、工事の前に申請する。枠が小さいので、とにかく早く町へ相談する。
当てはまるなら、これほど手厚い制度はそう多くありません。
一方で、対象外の場合も、解体そのものは進められます。大切なのは、解体の総額を正しくつかみ、思わぬ追加費用が出ないよう備えることです。
急いで決める必要はありません。判断材料をそろえて、ご家族が納得できるタイミングで進めてください。