「行橋市で、古くなった空き家を解体したい。使える補助金はないだろうか?」
そう思って調べている方に、まず結論からお伝えします。
チェック!!
行橋市には、危険な空き家の解体費用を補助する「老朽危険家屋除却補助」があります。補助額は、除却費用の2分の1・1戸あたり上限30万円です。
ただし、どんな空き家でも使えるわけではありません。行橋市の判定で「老朽度の評点が100点以上」と認められた、倒壊の危険がある家屋が対象で、しかも交付決定を受ける前に契約・着工すると、対象の家でも補助を受けられません。
さらに、令和8年度の募集はわずか15件・先着順。枠がとても小さいため、対象になりそうなら、早く動くことが何より大切です。
この記事では、「自分の空き家は対象になりそうか」をその場でチェックでき、対象なら「どういう順番で何を提出すれば申請が完了するか」まで、迷わず進められるように整理しました。
読み終えるころには、次に何をすればいいかがはっきりしているはずです。
※本記事は行橋市の交付要綱・パンフレット(令和8年度)にもとづきます。募集件数や期間は年度によって変わるため、申請前に必ず行橋市建築政策課でご確認ください。
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目次
この補助金でいくら戻るのか?
まず、一番気になる「いくら戻るのか」から整理します。
行橋市の老朽危険家屋除却補助は、市民の安全・安心の確保と生活環境の保全のために、倒壊の危険がある空き家の解体費用の一部を補助する制度です。
補助額は除却費用の半分で上限30万円
補助額の考え方は、シンプルです。
除却工事に要する費用の2分の1が補助され、1戸あたり上限は30万円となります(千円未満は切り捨て)。
たとえば除却費用が60万円なら、その半分の30万円で上限に達し、30万円が補助されます。除却費用が40万円なら、半分の20万円が補助額です。
「かかった費用の半分、ただし30万円まで」と覚えておくと分かりやすいでしょう。
30万円は全額ではなく後押しと考える
正直にお伝えすると、上限30万円は解体費の全額をまかなう金額ではありません。木造の戸建てでも、解体には百万円単位の費用がかかることが多いためです。
とはいえ、30万円が戻るかどうかは家計にとって大きな差になります。
そしてこの制度が本当に価値を持つのは、「自力では手が出しにくい危険な空き家を、安全に片付けるきっかけになる」という点です。金額だけでなく、危険な状態を解消する後押しとして捉えると、判断しやすくなります。
自分の空き家が対象になるかチェック
補助額の次は「自分の空き家は対象なのか」です。ここが最重要なので、まずはご自宅の状況を確認してみてください。
対象になる建築物の条件
補助の対象になるのは、次のすべてを満たす建築物です(門・塀は除きます)。
- 行橋市内にあり、現に使用されていないこと
- 木造または鉄骨造で、過半が居住用であったこと
- 登記簿に所有権以外の権利(抵当権など)が設定されていないこと
- 老朽度の判定基準に基づく評点の合計が100点以上であること
- 減価償却資産の耐用年数を超えていること(木造22年、鉄骨造は肉厚により19〜34年)
このうち、特に重要なのが「評点100点以上」と「耐用年数超え」です。
つまり、「見た目が古い」だけでは足りず、倒壊や部材落下といった実際の危険性があり、かつ法定の耐用年数を過ぎている必要があります。
かんたんセルフチェック
以下に多く当てはまるほど、対象になる可能性が高いと考えられます。あくまで目安で、最終的な判定は市の調査で決まります。
- 行橋市内にある、今は使っていない空き家である
- 木造または鉄骨造で、もとは住まいだった
- 抵当権など、所有権以外の権利が付いていない
- 木造なら築22年超(鉄骨造は構造により19〜34年超)
- 基礎や外壁、屋根に傷み・破損・傾きがある
評点は市の判定で決まる
対象かどうかは、自己判断では決まりません。行橋市による「老朽度判定」で、評点が100点以上と確認されて、初めて対象になります。
まずは市への事前相談から始まる、と覚えておきましょう。
補助を受けられるのはどんな人か
建物の条件を確認したら、次は「自分が申請できる立場か」を見ておきましょう。
申請できるのは所有者か相続人
補助対象者は、補助対象建築物の所有者、またはその相続人です。次の方は除かれます。
- 法人
- 市税を滞納している方
- 暴力団等に該当する方
名義がご自身であるか、相続によって関わっている方であれば、申請者になれる可能性があります。
相続がからむときに先に整理すること
空き家の解体は、相続とセットになることがほとんどです。相続が済んでいない、相続人が複数いる、という場合は、誰が申請者として窓口になるのかを、あらかじめ整理しておく必要があります。
慌てて決める必要はありません。ただ、申請には登記簿謄本や、場合によっては戸籍謄本など、権利関係を示す書類が必要になります。書類の所在確認だけは、早めに手をつけておくとよいでしょう。
申請から補助金受け取りまでの流れ
この制度で絶対に外せないのが、手続きの順番です。順番を一つ間違えると、対象の空き家でも補助を受けられなくなります。
まずは事前相談から始まる
いきなり工事や申請に進むのではなく、まず市と「この空き家が対象になるか」を確認する事前相談から始まります。
市が老朽度を判定し、評点100点以上かどうかを確認します。
交付決定後に契約・着工するのが絶対原則
手続きの中で最も事故が多いのが、契約・着工のタイミングです。
補助金交付決定通知を受けてから、施工業者と契約し、着工してください。交付決定の前に着工した工事は、補助の対象になりません。
行橋市の場合、流れとしては「交付決定通知を受領 → 施工業者と契約締結 → 除却工事着工」となっています。決定より前に契約・着工すると、対象外になってしまいます。
申請から受け取りまでの全体像
- 事前相談(市と対象要件・老朽度を確認)
- 交付申請および添付書類の提出(工事着工前)
- 審査を経て、補助金交付決定通知を受領(約2〜3週間)
- 施工業者と契約締結、除却工事に着工
- 工事完了後、実績報告書を提出
- 審査を経て、補助金額確定通知を受領(約2〜3週間)
- 補助金交付請求書を提出し、補助金が振り込まれる
募集枠と期間に注意
令和8年度の募集は、15件・先着順です。申込期間は令和8年5月7日〜9月30日とされています。
さらに、実績報告書の提出期限は、工事完了後30日以内、または令和9年1月29日のいずれか早い日まで。工事完了は、交付決定から60日以内または1月末までのいずれか早い日、という条件もあります。
枠がわずか15件と小さいため、対象になりそうなら、募集開始に合わせてできるだけ早く事前相談に動くことが肝心です。
申請でつまずきやすい落とし穴
順番と枠を押さえたうえで、さらに気をつけたい点をまとめます。
市内業者による工事であること
補助の条件として、行橋市内の業者による除却工事であることが求められます。市外業者では対象にならない可能性があるため、業者選びの際に確認しましょう。
建物の一部だけの解体は対象外
補助対象になるのは、建物を除却する工事です。建物(長屋住宅を除く)の一部だけを解体する工事は対象になりません。まるごと除却するのが原則です。
跡地に資材を残さない
「除却」費用の補助のため、解体後の資材が跡地に残らないことが求められます。きちんと廃材まで処理する工事である必要があります。
門・塀は対象外
補助対象建築物からは、附属する門・塀は除かれます。家屋本体の除却が対象です。
補助金だけで判断しない解体費用の見方
補助金は費用の一部を補うものです。だからこそ、補助金の有無とは別に「解体そのものにいくらかかるのか」を正しくつかんでおくことが、後悔しない判断につながります。
見積書に入っていない費用を見抜く
解体で最もトラブルになりやすいのが、着工後に判明する追加費用です。代表的なものを挙げます。
- 地中埋設物(古い基礎・ガラ・浄化槽など)……掘って初めて分かることが多い
- アスベスト含有建材……事前調査で判明し、除去費用が加わる
- 残置物・家財……量を見誤ると膨らむ
- 前面道路が狭い……重機が入れず手壊しが増え、工期も延びる
「地中から何か出たら追加」とだけ書かれた見積りと、「出た場合はこの単価で算定します」と明記された見積りとでは、契約後の安心感がまるで違います。契約前に、この一点は必ず確認しておきましょう。
アスベストの事前調査は今はほぼ必須
現在、石綿(アスベスト)の事前調査は、法律上ほぼすべての解体工事で必要になっています。
この補助金の対象になるのは、耐用年数を超えた古い家屋です。アスベストや地中埋設物のリスクも高くなりがちなので、こうした費用まで見えている業者を選ぶことが大切です。
解体して終わりにしない土地のこれから
空き家を解体すると、更地になった土地をどうするかという、次の課題が生まれます。ここまで見据えておくと、解体の判断そのものがぶれにくくなります。
更地にすると固定資産税が変わることがある
住宅が建っている土地には、固定資産税の負担を軽くする特例が適用されています。建物を解体して更地にすると、この特例の対象から外れ、土地の固定資産税の負担が変わる場合があります。
解体の時期を考えるときは、この税負担の変化も踏まえておくと、いつ壊すのが無理がないかを判断しやすくなります。
跡地は適正に維持管理する
行橋市のこの制度では、解体後の跡地について、周囲に悪影響を及ぼさないよう適正に維持管理することが求められています。
更地にしたあと、その土地をどうするか——売る、貸す、活用する——まで考えておくことが、解体後の管理の負担を減らすことにもつながります。
よくあるご質問
補助額・対象について
Q. 補助金の上限30万円で、解体費用は全部まかなえますか
A. 多くの場合、まかなえません。この補助は除却費用の2分の1・上限30万円で、費用の一部を補う制度です。総額を先に把握し、そこから補助額を差し引いて考えるのが現実的です。
Q. 古い空き家なら、どれでも対象になりますか
A. なりません。老朽度の評点が100点以上で、かつ法定の耐用年数(木造22年など)を超えていることが条件です。まずは市の事前相談・判定を受ける必要があります。
Q. 使っている家や、貸している家は対象ですか
A. 対象外です。現に使用されていない空き家であることが条件です。
申請の手順について
Q. 申請の一番のポイントは何ですか
A. 「事前相談→交付申請→交付決定→契約・着工」の順番を守ることです。交付決定の前に契約・着工すると、補助の対象になりません。
Q. 募集枠はどのくらいですか
A. 令和8年度は15件・先着順です。申込期間は令和8年5月7日〜9月30日。枠が小さいので、対象になりそうなら早めに事前相談へ動くことをおすすめします。
Q. 建物の一部だけ解体しても対象になりますか
A. なりません。建物(長屋住宅を除く)の一部を除却する工事は対象外です。まるごと除却するのが原則です。
工事・業者について
Q. どんな業者に頼めばいいですか
A. 行橋市内の業者による除却工事であることが補助の条件です。業者選びの際に確認しましょう。
Q. アスベストの調査は必要ですか
A. 現在、石綿の事前調査はほぼすべての解体工事で必要になっています。古い家屋では特に、見積りに調査の項目があるか確認しておくと安心です。
解体後について
Q. 解体後、建物滅失登記は必要ですか
A. 建物を解体したら、法務局への建物滅失登記が必要になります。あわせて確認しておきましょう。
Q. 更地にすると固定資産税は上がりますか
A. 住宅用地の特例から外れることで、土地の固定資産税の負担が変わる場合があります。解体の時期を考えるうえで踏まえておくと安心です。
まとめ|この順番で進めれば申請は完了する
行橋市の老朽危険家屋除却補助について、要点を振り返ります。
記事の要点
- 補助額は、除却費用の2分の1・1戸あたり上限30万円
- 対象は、使われておらず、木造・鉄骨造で、評点100点以上かつ耐用年数超えの危険な家屋
- 申請者は、所有者または相続人(法人・市税滞納者は除く)
- 手順は事前相談→交付申請→交付決定→契約・着工→実績報告。決定前の契約・着工は補助ゼロ
- 令和8年度は募集15件・先着順(申込5月7日〜9月30日)。枠が小さく早めの行動が鍵
- 市内業者による工事が条件、建物の一部除却は対象外、門・塀は対象外
迷ったらこの一文だけ覚えて帰ってください
進め方をひとことで言えば、こうです。
まず市に事前相談する。対象と分かって交付決定の通知が届いてから、契約して着工する。枠が小さいので、とにかく早く動く。
この順番さえ守れば、申請でつまずくことはほぼありません。
補助金は費用の一部を補うものです。だからこそ、解体そのものの総額を正確につかみ、追加費用まで見えている見積りで判断することが、後悔しない第一歩になります。
急いで決める必要はありません。判断材料を揃えて、ご家族が納得できるタイミングで進めてください。